自費率アップしたい!と、
思っている先生は、たくさんいらっしゃることと思います。
2021年は、自費をバンバン患者さんに勧めるぞ!
と、気合を入れていたりして。
今回は、自費率をどうやったらアップできるのか
お話します。
歯科医院経営のコンサルタントさんがどんな考え方をしているのか、
歯科衛生士トレーニングアカデミーを起業するに当たって、
たくさん調べました。
歯科衛生士仲間からは、
「経営コンサルタントが入ったけど、なんか効果なかったよ。」
と、言う話をたくさん聞きました。
生々しく、
効果がなかったから、先月で打ち切った・・・
という声もありました。
しかし、
経営コンサルタントというくらいですから、
少なからず、私達よりも経営について詳しいはずで、
なぜ効果がなかったと、彼女たちが感じるのかを
知りたくなりました。
大半の経営コンサルタントの方は、
自費率をアップさせましょう!
と、言いますが、
そんな簡単に自費率アップするのでしょうか?
いや、
そもそも「自費率アップするぞ!オー!」
なんて思っているような歯科医院に通っている患者さんが、
心の底からその歯科医院を信頼しているのか?
という問題です。
自費の中には、
いろいろな種類の自費診療があります。
矯正のように、
保険適応ではない診療も自費診療です。
または、
ホワイトニングのような
美容に関することも自費診療になります。
しかし、
どうも経営コンサルタントの方々のおっしゃる自費とは、
保険でも出来るけれど、
自費だと銀歯じゃなく白くてキレイな歯が入るよ
という類の自費のようです。
こんな事を言うと、お叱りを受けるかもしれませんが、
露骨に患者さんに半ば強引に勧める歯科医院もあります。
自費を勧めるのを専門とする女性スタッフが居る歯科医院もあります。
知り合いは、こんな歯科医院で、自費オススメスタッフに
「歯は、白いほうがいいでしょ!」
と、何十分にも渡って説明を受けたと言っていました。
彼女は、他の歯科医院に移り、
保険で治療を受けて終わりました。
ちなみに、彼女の治療は、
隣接面の虫歯でしたが、
小さかったので、インレーを入れるほどではなく、
CRを充填して終わったようでした。
歯は、削ってしまったら、もとには戻りません。
出来る限り、削らずに済む方法を考えるのが、
誠実な歯科医院ではないでしょうか。
今回のような場合、
補綴物を入れるとなれば、
当然削る範囲も広くなるはずです。
しかも、
CR充填だったら、保険適応なので、
数千円で済みます。
それでも、
段々と変色してくる可能性のあるCR充填ではなく、
白い補綴物を入れて欲しいと希望するのであれば、
それは患者さんの希望ですから、
いいと思います。
では、
強引なオススメをしないのに、
自費を希望する患者さんの多い歯科医院を観察してみると、
患者さんに丁寧な説明をしていることがわかりました。
丁寧な説明とは、
保険だといくらで、
自費だといくらです。
と、いう金額の話ではありません。
治療を始める前に、
1、今の歯の状態を丁寧に説明します。
2,こんな治療をする予定です。
3,削ってみたら、こんなふうになっているかもしれません。
4,その場合には、こんな治療に変更することもあります。
5,最終的には、こんな詰め物になります。
6,この場合には、保険だとこんな材質で、こんな色で、こんな利点があり、これだけ費用がかかります。
7,同じ状態でも、自費だと、こんな材質で、こんな色で、こんな利点があり、これだけ費用がかかります。
と、大体のスケジュールをしっかりと話しています。
通院回数も、おおよその回数をお話していて、治療していくうちに状況が変わるとそのたびに、
予定では、3回とお伝えしましたが、
治りが良くないので、通院回数が増えます。
のように、伝えていました。
実は、この説明が結構大切です。
自分の口の中に、何本の虫歯があるのか、
歯肉は、どんな状態なのかを、説明することで、
ブラッシング指導のモチベーションアップにも繋がります。
モチベーションが上がれば、
健康を維持するには、どうしたらいいのかを
患者さん自身で考えるようになります。
そうなると当然、
だったら、少々お金をかけてもいいと、
考えるようになります。
芸能人みたいな歯に、
このくらいの費用でなれるなら、
やりたいと思う患者さんも少なくありません。
私の両親は、私の影響で、
歯は、大切!と、考えていました。
とはいえ、
気がついた時には、
入れ歯を入れなくてはいけないような
状態だったのですが、
30年以上前に、
父は、フルブリッジを100万円以上かけて入れていました。
母は、亡くなる間際まで3ヶ月ごとの定期検診に通っていました。
歯だけは、お金をかけてでも
いい素材のものを入れたかったようです。
こんなふうに、
自分の健康と口腔内を結びつけて考えるようになれば、
勧められなくても、自費を希望するようになります。
自費の補綴物を勧めるのではなく、
口腔内の健康の大切さを
しっかりと伝えて欲しいと思います。
お読み下さり、ありがとうございました。